一花三季・禁花

   (いっかさんき)     (きんか)

 

花にはつぼみ、花の盛り、散り際と三回の見どころがあるという意味。

 

『一花三季』・・・一つの花の三つの季節を知り、花入れをする  
咲き始めたばかりやの「初花・新芽」数少なく入れて、新鮮な印象に

 

 

 

 

 

 

 

 

 


         

 

 

つくばね             ハス            ウツボ草

 

今を盛りと咲き誇る「当季の花」・たくさん入れた姿が似合う

 
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終わりに近い「名残の花」・惜しむ気持ちで&次の季節の花を添えて等々色々ある。

      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑      ウツボが枯れて夏枯草と名を変える

                   漢方薬

季光写http://simasima7.exblog.jp/7322072/

「茶花に禁花はない。少なくとも禁花という強い表現は当初されていなかった」

「葉の数や花の数に至っては、本来は茶花では問題にしない。

華道の方や流派によって、気になるような人がいるが、無視する。」

 

★においの悪い花、また強すぎる花は使わない

薔薇
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                くちなし               バラ

 

★とげの多いものも扱いがむずかしいので避ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


            山椒            タラの芽            ボケ

 

 

★名前の悪い花も避けるが、別名をつかって生けることがある.

.ヘクソカズラをヤイトバナ、ドクダミを十薬、シビトバナ(死人花)を

ヒガンバナ(彼岸花)鶏頭を(韓藍からあい)など...

また、親席開き、新築祝いなどには、赤い花、火のつく花はつかわない。

その他、ムクゲも、祝儀の席では一日花で「木槿一日の栄」といわれるので使わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                ドクダミ               トリカブト

 

 

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           彼岸花          女郎花             ケシ

 

★果実類は使わないが、実でも花のように花のように美しく、

また形のおもしろいものは使われることがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                          川瀬敏郎

     蓮の実                 縞ふといと河骨            蓮の枯葉に寒牡丹の蕾

                                「花と器」 神無書房

 

★四季を通じて咲くもの、はですぎる花、奇をてらう花、返り咲きの花など...
★枯れ花、死花など

★露地に植えてある花

★掛け軸、びょうぶ、ふすまなどに描かれている花。

 

upお茶
 

 

 

 

 

 

 

 


★名を知らない花はいけないほうがよい。
 名も知らなければ、亭主の心が入らないはずである。

★昔から禁花として歌によまれている花。

 

きらう花とては、八つ花かたのわりき物とて、花入れに、いれざる花は 

ぢんちゃうげ み山しきびに けいとうの花
おみなへし ざくろ かうほね きんせんくわ
せんれんくわをも きらひこそすれ

八つ花形とは、八重咲きの『重瓣花』の華やかさを嫌ったのである。

枯れ蓮
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ドクダミと

ススキ

 

                                   

 

 

 

 

A 枯れ蓮葉

             草月流       草月流 

                          宮城県支部長         

                          丹野霞園先生                      

 

                          Marshall 友人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                 ↑

                    河骨 似た水(水葵)草面高 

 

大和農園 秋カタログより

 

沈丁花・・・・・匂いがきつい・・・・・・・死君という名で縁起が悪い
鶏頭の花・・・・・・・・・・・・・姿が見にくくいやしい花とされた。
女郎花(おんなえみし)・・・根に悪臭がある、字がおもしろくない。
ざくろ・・・・・・種がたくさんある。鬼子母神の故事により人肉の味とされている。

こうほね(河骨)スイレン科・名の由来が白く白骨のように見える根からなので、名前が不快。
きんせん花・・・・金盞花 花期が長い、日本では有毒とされていた。
せんれいか・・・・実物不明 あまりにも綺麗な花?

 

 

 

ざくろ,河骨
鶏頭
 

 

 

 

 

 

 

 

 


      B 石榴       C 河骨      D 鶏頭

 

A・B・C・D 百花草木 秋冬 株 学習研究社

いけばな伝統文化社 発行人 大森 崇

 

禁花といわれるものに、何故か捨てがたい風情の花が多い。

茶の湯・床の花(茶花)では考えられない生け方が、

現代 幅を効かせている、花道・華道の世界であろう。

洋服で畳に正座、靴下をはいて、お茶の稽古。

こんな 時代にも、禁花が、堅く守られているのは、大事なことであるが

むしろ、おかしいと自分は思う。

現代の生け花には、上記に揚げたように 何と素晴らしい嫌われ者の花が、

生き生きと、堂々生けられている。

特に、花の根っこが骨のようだと云うことで嫌われている

「河骨 こうほね」は、蓮やスイレンにおとらず

沼に、静かに咲いている姿は、足を止めて暫し見とれてしまう。

名を忌むものの代表とされ従来用いられなかった花

「河骨(コウホネ)」を、利休は園城寺の竹花入に入れることを好んだそうでだ。
利休は河骨の花に

「強い心持ちを持つものが、自ら幽寂の姿を保っている」

そんな姿を重ね、同じく宗教的立場上強い心組みを持つ三井寺、

すなわち園城寺名の花入に入れたのだと・・。

これは西堀一三氏の「茶花の話」の一節にあり。

2.30年前 外国の花というだけで嫌われてしまう「時計草」が、

なんと6月の始め 床に生けられ

初めて、目にし 名前を知った花 

亭主の言葉「時の記念日」

間近の席であった。

残念なことに、東北では、寒さで根が凍り、一年しか咲いてくれない。

ドクダミの席も、上に写真があるように、茶会で新鮮に輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 


こうほね

 

 

 

                                      どくだみ

 

 

 

「花有情」  青山俊董 春秋社

 

 

 

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