ゆリ
 

  道の辺(へ)の
  草深百合(くさぶかゆり)の

       花笑みに(はなえみ)

          笑みしがからに 妻というべしや 

               巻7  1257 古歌集

 

(路傍の雑草の底深く咲いている百合) 

万葉の百合は、山百合をさすが、山百合系の

ささ百合又は、チゴユリと言われる。

百合は見方によって毒々しいともとれる花

だが、密やかに人知れず咲く姿に心惹かれる

 

   筑波嶺の

     さ百合(ゆる)の花の 

        夜床(ゆとこ)にもかなしけ

           妹そ昼もかなしけ          巻20  4369 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


稚児百合 (ちごゆり)

やさしい山草。ユリと名がつくも、別属で、球根を作らない。

ナルコユリやホウチャクソウのなかまで、

「稚児」と形容されているように、同類中最も丈低く、

高さ20センチ以下でも咲き、花も小さい。

茎頂に1〜2花をうつむき気味につけ、花は、完全に開かず、

径3センチ足らず。

山野の林床に生える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

ゆきざさ

ユキザサ
 初夏といってもよい頃、丘陵の林縁や林中に花を咲かせる。花は、白い雪の結晶のような小さな花を穂状に

つける。葉をササに見立てて「雪笹」という名が与えられた。

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真 < 花おりおり >

タモトユリ

文・湯浅浩史 写真・矢野勇

 南西諸島のユリ三姉妹の一種。日本のユリは色も、形も多彩である。

中でも、純白で大輪のユリは、南西諸島に3種自生する。

うちテッポウユリは広く知られても、他の2種、トカラ列島口之島の本種と

奄美大島南の請島(うけしま)のウケユリは数が少なく、

絶滅危惧(きぐ)種IA類に指定される。香りが高い。

 20050730日付朝日新聞朝刊)

 

夏の野の 茂みに咲ける ひめゆりの

  知らぬ恋は 苦しきものぞ     大伴坂上郎女

夏の野の茂みに咲いている ひめゆりよ 夏草に紛れて 私の恋もあの人に知られず苦しいものだ

 

 

 

 

 


  

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