★ ウノハナ・ウツギ 
           万葉集に二四首詠まれている
 
             梅花空木→うのはな


      植物学では空木と呼んでいるが、ウノハナの

名も一般的に用いられている。

山野にも自生しているが人家に栽植されている。

5月頃白色(仙台は6月)の花を沢山付け、         

 

山野を白妙にかざる。

これも万葉人に愛された花で、万葉集には、 

ウノハナ 宇野花 宇能花 宇能波奈を読んだ歌が23種ある。

万葉の歌はホトトギスを配して読んでいる詩が多く


「ホトトギス 鳴く声聞くや 卯の花の 咲き散る丘に 葛引く娘子(くずひくおとめ)」

    10 1942
「五月山 卯の花月夜(はなづくお)ほととぎす 聞けども飽(あ)かず また鳴かぬかも」                  

10 1953 作者未詳

卯の花腐し(くたし)
 陰暦の4月を卯の花月、この時期に降り続く雨を言う。
春雨と梅雨の間の霖雨(りんう・ながあめ)のこと。咲いた卯の花を腐らせてしまう

                                                       

 

 

 

 

 

 

 

 


                                             

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                                                        

 

 

 

                                               

 うの花 (うつぎ)
 
五月山 卯の花月夜(つくよ) 
ほととぎす
  聞けども 飽(あ)かず
   また鳴かぬかも    不 詳

「五月山」「卯の花月夜」は共に詩的
な造語で美しい
卯の花は、万葉集に24首 
そのうちこの歌のようにホトトギスと
セットになった物が18首もある。
卯の花とほととぎすと言えば
佐佐木 信綱作詞の小学唱歌
「夏は来ぬ」を思い出す。
これは加納 諸平の
「山里は 卯の花 垣のひまをあらみ
しのび音もらす ホトトギスかな」
(柿園 詠草)を土台にしたものだ。

                                               

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                                              

 

                                              

タニウツギ

タニウツギ咲く 山あいに
  炭焼く煙立ちおり 過ぎし日のこと



   ハコネウツギ→タニウツギ

カメレオン花。開花直後の花は白い。
其れがピンクを経て赤くなる。
そのため同じ木に、各色が混じる。
潮風にも強く、防風林に使われることもある。
丈夫で庭では持て余すこともある。

                                              

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                                               

卯の花

ウノハナの匂う垣根に

ホトトギス早も来囁きて

早苗植え渡す夏は来ぬ

唱歌「夏は来ぬ」で唄われるウノハナ。

さして匂う花ではない、この白いウツギが咲く

頃になると、梅雨に入る。
ユキノシタ科、ウツギ属の落葉低木で13mになる。
北海道南部から九州に広く分布する植物で、明るい林内から林緑、崖地、
川端などに生育している、。
和名の由来は、枝が中空であること、材が堅いので木耳紳材(打つ木)とした、
卯月(陰暦4月)に咲くなどの諸説がある。
ウツギの材は堅いので、古くは神事の火おこし棒にも使われた。
また、ウツギの花で、その年の豊凶を占つたといい、

花の多い年は豊作と考えられた。

          東北地方では、川原で遺体を焼いた後、骨を拾う箸として使ったため

屋敷内には植えないと昔は言っていた。

     「卯の花腐し」とは、五月雨、梅雨のことで、長雨のため卯の花を腐らせること
からできた言葉。

 

 

 

 

 

 


  

 

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