端午の節句 端午の節供
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日本の端午(たんご)の節句は、奈良時代から続く古い行事。
端午というのは、もとは月の端(はじめ)の午(うま)の日という意味で、5月に限ったものではない。
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午(ご)と五(ご)の音が同じなので、毎月5日を指す、やがて5月5日のことになったとも伝えられる。
・当時の日本では季節の変わり目である端午の日に、病気や災厄をさけるための行事がおこなわれて
・ 、この日に薬草摘みをし、蘭を入れた湯を浴びたり、菖蒲を浸した酒を飲んだりという風習がある。
・ 厄よけの菖蒲をかざり、皇族や臣下の人たちには蓬(よもぎ)などの薬草を配り、また病気や災いをもたらす
・ とされる悪鬼を退治する意味で、馬から弓を射る儀式もおこなわれた。
・ 五月五日の端午の節句に「鯉の吹流し」を立て、「武者人形(五月人形)」を 飾って男の子の前途を
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祝うようになったのは、徳川時代から。
五月五日の節句は、五と五を重ねる事から「重五」、菖蒲を用いる事から 「菖蒲の節句」などと呼ばれています。
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「五」と「午」が相通ずることか ら、初節句を「端午」「端五」(端ははじめの意)と書いた。
・ 菖蒲は薬草で、邪 気を避け、悪魔を払うという昔からの信仰があり、節句 にはヨモギとともに軒にさし、
・ あるいは湯に入れて「菖蒲湯」として入浴。
・ 長い葉菖蒲を、男の人
我が家では新暦端午の節句には、ヨモギのみ大量に積んできて、洗濯機で使用の網袋に入れて、
・ 10分ほど、湯の中でヨモギの入った網袋を良く揉み出し、風呂の湯が、茶褐色になったところで入浴する。
香りが出て、体が良く温まり、肌場すべすべになる。
次の日はこの湯は洗濯には使用できないが、植木や庭にバケツで運び水掛をする。
根本が桃色をしているのですぐ見分けることが出来る。
夜咄の茶事では、後座の床に石菖鉢を置きます。
石菖は、サトイモ科の多年草です。鉢に胴炭などを組んで石菖を挿し
入れて水をはります。炭には水や空気を浄化するはたらきがあり、
また石菖にも、種油や蝋燭から出る油煙を吸いとる性質があるといわれ、
炭、石菖ともに、後座の空気を清めるはたらきをしているのです。
まさに「用」と「美」を兼ねそなえた床飾りです。→
← セキショウコン(石菖根)
芳香開竅・逐オ去濁
鎮静作用・健胃作用・鎮痛作用・利尿作用・抗真菌作用
日本では東北地方より南部に分布、花期5〜7月。
根茎に鎮痛や鎮静作用があり、腹痛や腰痛などに使用。
薬用酒を飲む時は前後に甘みをとらない。入浴剤にもなる。
3月に株分け、日当たりから日陰までの湿地でよく育つ。
石付けなどにすると小さくまとまる。
・室町時代から武家では五月五日の端午の節句に、竹竿に布を張り「吹き流し」 を立て、
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江戸時代になって町人階級も紙で作った「鯉のぼり」を竿につけて高く掲げて対抗して楽しんだ。
・ コイはもともと威勢のいい魚で、昔から「鯉の滝上り」などと伝えられ、子供が元 気に育つようにという親の願いが
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「鯉のぼり」にこめられている。
◆端午が男の子の節句になった訳は?
古来おこなわれていた宮廷での端午の行事も、時が鎌倉時代の武家政治ヘと移り変わってゆくにつれ、
・ だんだんと廃れてきました。しかし、「菖蒲」と「尚武」をかけて、端午の節句を尚武の節日として盛んに祝うようになった。、
・ 薬草を摘んで邪気をはらうという端午の行事が、男の子の誕生の祝いへと結びついた。
五月人形の飾りには大きく分けて、外飾り(鯉のぼりや武者絵のぼり)と 内飾り鎧、兜飾りや子供大将飾り)があり、
本質的には立身出世を願う鯉のぼりと、子供の無事な成長を願う内飾りは意味が違うので両方を飾ることが望ましい。
■ 菖蒲と端午の節句
端午の節句と菖蒲の結びつきは古代中国までさかのぼる。
端午というのは本来、午の月の午の日。新暦で言うと6月頃で菖蒲の季節、これを初期の段階では神様に捧げていた。
これが後には魔除けとして枕の下に敷いたりする風習ができます。
日本にも平安時代ころまでには輸入され、菖蒲にまつわることをいろいろしていた。
当時、菖蒲を使った「根合わせ」といった遊びも行われていた。これは花合せ・貝合せなどと同様のお遊び。
(貝合せは後世にはカルタのような遊びになりましたが、初期の頃は堤中納言物語に出てくる通りの遊びでした)
香道
茶道・書道・花道と言った教養の中ではこの3種を身につけてから、香道に入ったと言われている
5月の香道のテキスソを参考に書いておきます
水 茎 香 ミズクキコウ 注 菖蒲やアヤメ・かきつばたのこと 米国では一言 アイリス 風情がないですね
香 組
要素 香銘 香道上の略符号名
淡 紫 草 の 雨 二 羅 國
若 紫 花 影 花一 佐 曽 羅
濃 紫 ほ と と ぎ す 一 伽 羅
構 造 式
淡 紫 (ウスムラサキ)
若 紫 2T 3―2=1 (本香は1つ)
濃 紫 (コキムラサキ)
(3種類 試香あり −2は、焚かずに除く)
聞 の 名 目
淡紫なれば 花菖蒲
若紫なれば かきつばた
濃紫なれば アヤメ
証 歌 二十一代御家流香道宗家
三條 西尭山
むらさきの匂(ニオ)えるいろのアヤメ草
いずれを引きて 家ずとにせむ
「家づと」おみやげのこと
水茎(アヤメ、カキツバタ等のこと)
アヤメ草(昔は、菖蒲のことをいった)
いずれアヤメかカキツバタといわれるようにあやめ、カキツバタ
花菖蒲の花は、よく似ている
此花は磨きを競い、その美しさを見せてくれる
花の時期は5月から6月
この香組の答えはひとつだけ
いずれを引いて家づとにするか?
答えは、ひとつだけですがこの組香の特徴は答えを扇子に書く様
約束されている。
人にものを差し出すとき、名刺盆や、袱紗の上に載せて、差し出すように
月謝等も、扇子にのせて出す習慣が今でも稽古場に残っている
首題の水茎は、みずくきの跡も美しいといわれるように筆跡
にも掛けられた掛詞になっている。
菖蒲湯に関しては、冬至のゆず湯に対応するものとの見解もあります。つまり本来は端午とは無関係の風習だった可能性もあります。
日本では中国の暦が輸入される前は、冬至と夏至から1年が始まる今の半分の長さの
年が使用されていたらしいというのは民俗関係の研究者の間で、比較的広まっている
説のひとつで、概して半年ずらしたところに似た行事があります。
夏至は昔の暦では五月に来ますので、本来は菖蒲湯は夏至に入っていたのかも
知れません
元はご多分に漏れず中国から伝わった行事。
この日に菖蒲(ショウブ)や蓬(ヨモギ)を摘み、家や門に飾る風習は、本場中国に
おいては既に「楚辞」に歌われているということですので少なく見積もっても2400年以上
昔から有ったもののよう。
鯉のぼり
端午の節供と言えば鯉のぼり。鯉のぼりの登場は江戸時代初期。
戦乱の世の中が治まり、武士の身分の固定化が進むと、
武功をあげて禄高をあげるということが事実上不可能となり、
あとは与えられた勤めに精励して認めてもらう以外、家産を増やす
道が無くなる。
この頃から武士の家では、端午の節供にそれぞれの家の家紋や
鍾馗を描いた幟などを立てて端午の節供は元々、悪月の邪を払う
行事・忌み籠もりの行事。
五色の吹き流しは「邪気を祓う呪い」であり、竿飾りは「忌み籠もり」
している家の目印としてつけたもの。
吹き流しの色は五色。この色は五行説から出たもの。
菖蒲(ショウブ)
菖蒲は葉や根に芳香が有ることから、昔から邪気や物の怪をはらう力が有ると考えられていました。
現在でも玄関や屋根に菖蒲・蓬を飾り、菖蒲湯をたてる風習が各地に残っています。
菖蒲で地面をうち、大地から悪い気を追い出す「菖蒲打ち」と言う行事も残っている。
ちまき
元々は茅(ちがや)で巻いたことから「茅巻き(ちまき)」と言った。
五月五日にちまきを作る風習は、中国の楚の国(揚子江流域)に起こったものとされています。
カキツバタ アヤメ科
水湿地に生える多年草 根茎は横にはい、多数の繊維がある
花は青紫色及び紫色外花被片は広倒卵型で垂れ下がり 基部
は白く爪部は黄色をおびる。内花被片は側被針形 水辺を好んで生える
生育地 水湿地
アヤメ アヤメ科
山地に生える多年草 中央の脈は目立たず外花被片は広倒卵型で垂れ下がり
基部は黄色をおび細かい紫色の脈が著しい
花の大きさ、色彩などに変異が多い
生育地 山地の草地
ノハナショウブ アヤメ科
平地から草原 道端 湿地などやや湿ったところを好む
中肋(チュウロク)が太くめだつ雌しべ、雄しべがわかりにくい
ノハナショウブは花色に変化がおおく、花菖蒲の原種である
江戸系 熊本系 伊勢系 の3系統がありきわめて多くの品種
がある。これは江戸時代の藩主の品種改良への執着が深く関係
している。
花菖蒲 → 乾地でも育つ水注意 2・3年後 花後株分け
しないと老化して、枯死する
※ 昇山狭(紅紫色の白色の絞りが入る美花。巨大輪咲)
※ 黄菖蒲(水田の溝や池の回り草原とうに自生)
肥後系 → 豪華な花容とカラフルな花色 花立ちがよい
※ 葦の浮き船(白色に上弁が藍色、砂子青紫色の筋入)
※ 越後獅子(淡い青紅色に白覆輪のぼかしが入る八重咲)
※ 旭匠(白色地に紅紫色の散り絞り入り)
※ 白日本海(白色に紫色の吹き掛け絞り)
江戸系 → すっきりした花容で、集合と調和の美しさで改良
古い品種
※ 芭蕉(黒味のある濃い紫色 縮緬地の花)
※ 山の雫(藤色に底白色の厚弁)
伊勢系 → 女性的な花容で優しい風情の花
花弁が垂れやすい
※ 美吉野(桃色の澄んだ花色)
※ 白蝶(純白色で上品な花は清楚)
※ 伊勢舞子(目立つ青色で網目模様)
あやめ、かきつばたは、甲乙つけがたい美人の代名詞につけられている
もう一つの代名詞は女性の姿、形を表したシャクヤク、ボタン、ゆりであろうか
今が見頃のハナショウブですが、アヤメとカキツバタと比べてみました。
1 カキツバタは水辺(池や小川の浅瀬)に生えます、つまり庭や畑には
植えられません。花は葉よりも低く咲き、内花被片(花芯)は先がとがって
直立し、外花被片の基部から中央には黄色線が入り、花色はほぼ紫。
ただし、園芸品種の花色はいろいろあります。
2 アヤメは庭や畑に生えます、こちらは水辺には生えません。外花被片の
基部に綾目模様があり、花色はほぼ紫。園芸品種の花色はいろいろ。
3 ハナショウブは庭や畑に植えますが、湿地でも育ちます(原種のノハナ
ショウブは湿地に生えます))。花は大型で、外花被片の基部中央には
黄色斑があります。園芸品種が沢山あり花の形や色もさまざまです。
葉の中央には盛り上がった主脈がありますが、アヤメとカキツバタには
ありませんのでこれで区別できます。
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★ショウブ 元来草木の生命を感染させる呪術 |
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カキツバタ アヤメ科
アヤメ アヤメ科 入る美花。巨大輪咲) とうに自生) 花色 花立ちがよい 砂子青紫色の筋入) ぼかしが入る八重咲) 江戸系 → すっきりした花容で、集合と 調和の美しさで改良。古い品種 花) 風情の花。花弁が垂れやすい |
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★ショウブ 見るのは年一度、 屋根に葺(ふ)かれた。 新暦5/5には、東北では、まだ、菖蒲が5センチほど とても お風呂とか 屋根に指すには早すぎる やはり、これは、旧歴の行事である。 |