捩花(ねじばな)桃色・白 
 文字摺り草 忍摺草

モジズリ(ネジバナ)(らん科)

 ありそめし文字摺草や温泉(でゆ)の道     岡安迷子

3508 柴付の 三浦崎なる ねっこ草
              相見ずあらば 吾恋ひめやも
柴付の三浦崎にあるネッコ草のように、互いに会わなかったなら、

私はこんなに恋い焦れようか...。

 


 身近な庭の芝生や土手などに見られる。草丈10〜20cmほどの可愛らしい

ラン科の多年草である。草丈の低い芝地で、しかも手入れが良すぎて刈り取られる

心配のない所で繁殖しているだけのことである。

気まぐれなのは繁殖の仕方だけではない。開花期も、7月頃が多いが、

場所によっては5月から10月まで思い思いに咲くものもある。

また、濃いピンクから淡いピンクさらに白にいたる花色の違い、らせん状の花序の

ねじれ方の違いなど、変化の楽しめる花でもある。

ひとつひとつの小花は5mm足らずであるが、よく見るとひとつとして同じ方

向を向かず、しかも天へ昇るらせん階段のリズムは、モジズリ・マニアならずとも

うっとりさせられるであろう

 

・蘭(らん)科。

ネジバナ属

「みちのくの  しのぶもじずり  誰ゆえに

乱れむと思ふ  我ならなくに」

古今集  河原左大臣


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3411 多胡の嶺に 寄綱延へて 寄すれども
                              あに来やしづし その顔よきに

多胡の嶺に寄せ綱を掛けて引き寄せるけれど
どうして寄って来ようか、沈石めが、美人であるのに。



  

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