木槿・芙蓉
万葉集に登場する「あさがほ」は、私たちが良く知っているあのヒルガオ科の
朝顔とは違う。
朝に咲くきれいな花を「あさがほ」と呼んだようだ。いくつかの説があり
キキヨウ、ムクゲ、ヒルガオとする説。
1538: 萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花
2104: 朝顔は朝露負(お)ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけり 原文: 朝杲 朝露負 咲雖云 暮陰社 咲益家礼
意味: 朝顔は朝露(あさつゆ)を浴びて咲くといいますが、夕方の薄暗い光の中でこそ輝いて見えるのですよ。
この歌で、夕方の方がきれい、と詠まれているあさがおは、木槿(むくげ)か桔梗(ききょう)だと思われます。
木槿(むくげ)も、夕方は勢いが少し弱い感じですから、桔梗(ききょう)の方が有力かも。写真は、木槿(むくげ)です。
白 遠州木槿
白 (中心が赤)宗旦木槿
芙蓉
モミジアオイ アメリカ芙蓉
槿花の栄=きんかのえい
槿花/むくげの花は朝開き、夕方にはしぼむので、人の世の栄華のはかないことにたとえて。
白楽天
「松樹千年、終にこれ朽ち、槿花一日自ら栄をなす」。
「槿花一日の栄」「槿花一朝の夢」「朝顔の花一時」。
古い時代には木槿/は「はちす/蓮」と呼ばれ、同じ一日花である朝顔は「槿」と書かれました。
日本では「あさがお」とも読み、朝顔の意味も兼ねてる。
朝開いて夕方にはしぼむことから、「槿花(きんか)一朝の夢」
「群れなすとにぎやかで、一人になるとおとなしく、シャイな姿にもどる・・・