バラ科の落葉高木
春の苑 紅にほふ 桃の花
下照る道に 出で立つ乙女
万葉集 大伴家持
原産は中国、古い時代に日本に渡ってきた。桃は鬼や悪霊を追い払う木。
三月三日の節句には桃の花を神様に供え、その後に雛壇に飾るようになった。
2970: 桃染めの浅らの衣浅らかに思ひて妹に逢はむものかも
4139: 春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子
1889: 我が宿の毛桃の下に月夜さし下心よしうたてこのころ
2834: 大和の室生の毛桃本繁く言ひてしものをならずはやまじ
1356: 向つ峰に立てる桃の木ならめやと人ぞささやく汝が心ゆめ
1358: はしきやし我家の毛桃本茂く花のみ咲きてならずあらめやも
1889: 我が宿の毛桃の下に月夜さし下心よしうたてこのころ
万葉歌に「毛桃」と詠まれている時には、女性のことを意識している