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遠野の茶会 夜話
旅に出ると、観光よりも、古道具さがし。
小銭で手ごろな品を、2〜3点買ってくる。
10年前に瀬戸内海の大三島で手に入れた、そば屋のおかもちのような、
15cm四方の小箱を、使い道もなくほったらかしにしていたが、ふと、
茶箱にしたらと思い立ち、茶碗を大中小と、仕服に納め、茶筅、棗、振り出し、
茶杓、茶巾入れ、これらすべて、旅行で買い求めた品物が、すっぽり
箱に収まり感激。
最後に、おかもちに、仕服を作り自己満足の茶箱の出来上がり。
先日、団体旅行で、遠野まつりに出かけたおり、食後、各部屋に、お茶会のお知らせ
会 記
花入れ 時代物ギヤマン ワンカップ大関 空瓶
花 季節のもの
洗面所より一輪拝借 (秋桜)
おも菓子 旅館のお茶請け
明けからす
及び、金米糖(振り出し)
茶杓銘 こぼれ萩
掛け物 萩の一字 旅館部屋名「萩の間」看板拝借
菓子器 時代物 湯飲み茶碗入れのふたを利用
以上、すべて、ありあわせ、旅館の目についたものを拝借。
酒の後のお抹茶 皆感激のひととき、肩を振るわせ おなかを押さえ
涙を流し どこかしこから聞こえてくる、くっくくという 感激と感謝のうなり声。
お客の中には茶道 香道の先生も含まれ、ちなみに、お道具拝見にいたっては
亭主が、口を開く前に、客が、やれこのギヤマンは、どっかの博物館で見たのと
同じだとか、戦国時代のものだとか、この、掛け物の筆跡は、
大徳寺の何代○○和尚さんに似ているが、よく見ると、やっぱり、
利休のものに違いない。
菓子器にかかれた、○○旅館というのは、堺の町にあった本陣だと、
勝手きままに、しゃべりはじめ、皆うなずいている。
2〜3席とも満席合計30名。亭主はじめ、水屋3名圧倒されながら、客に負けじと、
江戸小紋(旅館の浴衣)の一重にて、汗をかき稽古の手前を思い出しつつ、
無事お茶会を、済ませることが出来た。
約3時間半 楽しい一時を、皆と過ごせたことは、例え、利休の教えに背いた茶会
であったが、旅の疲れが吹っ飛び、人の和が広がり、一服のお茶が、こんなに
おいしくいただけたのは、初めてだといわれて、ただ 感謝の一言である。
わびには、少しかけ離れていたが、初めてのお茶会 手元にある雑器が、
見違えるように、また、人の顔が、入ってきたときよりも、輝いて見えた。
遠野秋祭りにて。
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