袈裟の素材

 

お袈裟のはなし

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お袈裟は福田衣 という。福田は作物の沢山とれる水田のこと。

お釈迦さまは仏弟子と当寺のバラモン僧の見分けをつけるため水田を見てお袈裟をお考えになられ、

幾つもの布きれをきちんと縫い合わせ耕地整理されている水田の如くに作られました。

「田はそこから命のお米が生まれ幸福をもたらす」「おまえ達も自分の心の田を一生懸命耕して、

福徳が授かるように仏の道に精進しなさい」と言われ、

それ以後、お袈裟(福徳を生む田の形の衣、福田衣)が大切に扱われ、仏道修行するもののシンボルとして

身に着けるようになりました。道元禅師の著述「正法眼蔵」には「袈裟功徳」「伝衣」の巻があり、

天童山での修行中「袈裟頂戴の偈を聞き感激の涙止まらず」の思いが今現在も伝えられていることは誠に有り難い。

 

必ず清浄なものを用いるべきだあるとし、

その中で次の十種の糞掃衣なるものを、

特に清浄としてさだめている。

 

1, 牛嚼衣  ゴシャクエ       牛が噛んだ衣

2. 鼠噛衣  ソシエ         鼠が噛んだ衣

3. 火焼衣  カショウエ       焼けた衣

4. 月水衣  ゲツスイエ       女の不浄に汚された衣

5. 産婦衣  センプエ        産婦によって汚された衣

6. 神廟衣  ジンミョウエ      神廟に遺棄された衣

7.  塚間衣  チョゲンエ       墓に遺棄された衣

8. 求願衣  グガンエ        神に願いをたてるために

遺棄された衣

9. 王職衣  オウシキエ       国王大臣より施与された衣

10.往還衣  オウゲンエ       死者にかぶせた衣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


もともと袈裟の原型は、棄てられていた布片を僧が拾い集め、それをつづり

あわせて出来たもの。

道元はこの糞掃衣については更に踏み込んだ解釈を記している。

棄てられた布を拾う場合は、絹も木綿もあるだろう。

然し、それを袈裟として用いるときには、すでにそれは絹でもなく、木綿でも

なく、正に糞掃衣に他ならない。

糞掃衣であるということは、絹でもなく木綿でもないのである。

袈裟は絹であるとか、綿であるとか、といったことにとらわれている者は、

とうてい糞掃衣を理解することは出来ない。

たとえ、つつましく一生粗布を袈裟としてつけていたとしても、それが布の

外見や素材にとらわれている限りは、いつまで経ったも仏法の正伝には

ならないのである。

 

http://freesia7.blog10.fc2.com/blog-entry-172.html  幼児教育を語るひろば

(小倉玄照著『永平寺の聯と額』誠信書房刊)

http://www.daihorin-kaku.com/buddhism/howa/howa-D11-2007.html

 

 

 

 

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