イチヨウライフク 冬至南瓜 冬至粥 柚子湯 ユズ
ユズ、カリン、カシの語呂合わせ
だんだん日が短くなります。中でも一年で一番日が短く、寒さもつのる冬至の日。
その寒さを吹き飛ばしてくれるのはなんと云っても柚子の入ったお風呂。
薄い黄色で爽やかな薫りがして、使っているとこわばったからだがゆっくり抜けて行くよ
うです。不思議に良く暖まる。
ひと年の疲れとおもう柚子湯かな 成瀬 桜桃子
でも、いったいナンの為に冬至の日に柚子湯にはいるようになったのだろうか?
NHK謎解き歳時記 制作グループ 編 講談社 が書いています。
何かと縁起をかつぐ日本人、木々についもあてはまる。
縁起のよい木が、柚子にカリンにカシ。
実も成るし、やくにも立つけれど、決して見た目には良くない。
ユズは「子孫に譲り伝える」、カリンは「なんにも借りんこと」、カシは「人に貸してやれ
るモノがあるのはよいことだ」。上手いこと縁起をかついだモノだ。
こうして植えられた柚子は冬至になるとたっぷりと使われた柚子湯になる。
この冬至の日は、日照時間が一年で短い。
太陽を恵みの力と考えていた時代は、「太陽の力が最も衰えた日」。「神様の力が最も弱くな
る日」とされた。
何かと人間を守ってるれる神様の力が弱ったら一大事だから、何とか神様の力を回復させ
ようと、様々な行事が行われるようになった。
たとえば、「霜月祭り」。古来、冬至の日の祭りをする
のは旧暦の11月、霜月にあたるのでこう呼ばれて
いる。祭りの前日、昨年作った竈カマドを壊し、
新しく作りなをおす。
冬至で一番太陽が弱っているとき、新しい火によって
また勢いを付けて貰い、来年までがんばって貰う。
新しく竈を作るために土はわざわざ十二支の方向から
運び、一年に見立て、365個の土の玉を作り、
竈を築く。こうして作り上げた竈で湯を沸かす。
神様にお風呂に入って貰うのだ。
「冬至」は3千年前中国の周王朝の時代は
一年の始まりだった。
冬至まではだんだん陰のちからがつよくなっていった。
冬至の火から陽が生じて強くなっていく。
「一陽来復」という言葉のように、冬至から太陽の力がだんだんと強まっていくと考えれ
ば、冬至はめでたい日でもあるのだ。新しい火で焚いた湯に神様が入って、太陽の力を回
復する。冬至のお風呂はそれにあやかったモノだ。
一 陽 来 復
でもどうしてお風呂に柚子を入れるようになったのだろうか
冬至の柚子湯は江戸時代に始まります。神様に入っていただくとか、神社やお寺のお風呂
を使う宗教儀式ではありません。
庶民に大人気の銭湯からはじまった習慣でした。
端午の節句には邪気払いの菖蒲湯。
土用には汗疹に効く桃の葉の桃湯。
冬至には一陽来復を願い、柚子湯を焚いて客集めをした。
元々銭湯には、普通のお風呂とは別に、「薬湯」という別湯があり、ヨモギ、柚子
大葉子、桃の花、独活ウド、といった色々な薬草を取り混ぜて入れていた。
その分、料金も高く、通常の銭湯の4・5倍はしたものの、めずらしもの好きな江戸庶民
には結構人気があった。
ところで、数ある植物の中で柚子が選ばれたのは、柚子は黄色でまん丸、太陽のような形
をしている 太陽の力が再び元気になるように、似たものを湯で温めることによって、
太陽の復活を祈る。あるいはお祝いするというような気持ちがあった。
しかし、縁起をかつぐわけではなく、柚子の皮に含まれる油テルペンは、湯に溶けやすく
皮膚を刺激して血行をよくします。ビタミンEが肌荒れを防ぎ、冬にぴったりだったので
す。
また、四季のことば事典 嶋岡 晨 大和出版 では、もっと「冬至」を簡単に書い
てある。
陽暦は12月21日から22日頃 一年で一番昼が短く夜が長い日。
呼称は、24節気による。柚子湯に入り粥を食べ、南瓜を食べると、病気をしないと言い
伝えがある。
冬至粥 すすって 一家健やかに 島津 友之介
常緑の低い木で7月頃果皮に小さないぼいぼのある青緑色のまん丸い,実をたわわに付け
る。汁にほどよい酸味があり薫りが良いので刺身に滴らせて喰う。
又、知らない日本語 教養が試される341語 谷沢 永一 幼冬舎 では
「落ちるところまで落ちた。
後は、もう上がるしかない」というセリフは、
負け続けた
スポーツ選手や勝負師が良く口にする常套句である。
「一陽来復」は、元来、陰暦11月又は冬至の
別称だが件(クダン)のセリフと同様の意味を持つ。
陰陽五行説では、陽は極まるところに陽に転じる
とされる陰である。
冬が極まった冬至は、陽である春が訪れる機運に
他ならない。つまり「冬きたりなば春遠からじ」と
いうわけだ。
ところが現実には、悪いこと続きの果てに、さらに想像を絶する悪いことが起きることも
ある。
黙って春の到来を待っているだけでは、現在の日本経済のように悪い流れをとめられなく
なることもある。
03,12/24 朝日新聞 陳 舜臣 六甲随筆 ほがらか コラムにて
一年の計は「冬至」にありカレンダーに冬至をを印刷すべきだ
国際化のこの時代というが、この日は、世界で十何億の人が「春節」といって祝日という。
慈覚大師円仁いわく 九世紀では冬至の方が新年よりもにぎやかであった。「本日は冬至
節 おめでとうございます」といったそうだ。
祝膳を儲けて百味すべて集まる
冬至の日から一年を二十四で割ったのが二十四節気であり、立春、清明、穀雨、
啓蟄ケイチツ 雨水なそど、味なネーミングが多い。