出会いと木彫り  NO2.

(旅先・林道・骨董店・材料・倉・木材・教材)

   棗・水指・干菓子盆

 


すりこぎなどに利用されている、山椒の木                           

非常に堅くすでに彫刻刀を2本、折ってしまう                         

これで蓋を作り穴を開けて 茶入れを作る予定

いわき市遠野にて、見つける

 

ごつごつ、こぶがあり、なかなか味わいがある。

8p周囲5pほどの小物であるが、妻楊枝入れとして

棚に置いてあったものを、飛びついて買い求めてしまった。                 

 

しばし、自宅の目の見える場所に置いて何が出来るか

毎日眺めていた。

見るからに木質が堅そうである。

この、でこぼこしたこぶを生かして、棗(ナツメ)                         

茶道で使用の粉茶を入れるものを

作ろうと思い立った。

はじめは、手の指を使って、彫刻刀で削っていたが、

堅くて1ミリほども木に刃物が刺さらない

仕舞いには、手彫り用の彫刻刀を、木槌でたたいて

掘り出した。

1ヶ月以上かかって彫り上げた穴も、紙ヤスリで

なめらかに削るのにも苦労の堅さである。

抹茶が中のデコボコに入り込んで、取れなくなるので、

きれいに磨かねばならない

 

蓋は、手元にある板で型どり、糸鋸を使い、どうにか

すっぽり収まる蓋が出来た。

これもやはり柿渋を塗り、胴のデコボコがすでにすり

減って傷ついたりしているところは

金を塗った。                山椒の葉・実は、ここをクリック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                      全体 茶入れ

上部より見る  蓋の上には 上弦の月を漆でかく

 

 

 

 

 

 

 

デビューは、05.10月16日         

真ML茶の湯Communityの見立ての茶会

男性ばかりのスタッフ

漆が乾燥するまで6ヶ月はかかるだろう

 

2ヶ月たった7月にも、まだ、においと乾燥しきれない漆である。

上弦の月は、漆にて、点線(点)のみで書き上げる。

 

 

 水 指    

 

お茶っ香飲み会はここをクリックして下さい

 

いよいよ大作、水指である。

水指(茶道で釜に水を足したり、茶碗の洗ったりする水入れ)は、釜と共に来客が拝見をするので

気が抜けない。水漏れがあっては駄目だし、大きすぎては、じゃまになるし、ちょうど良い大きさの

農家の天井の梁(ハリ)が手に入り、友人・棟梁 いわき市在住の亀山 草水さんにドリルで穴を

開けて貰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真は、棟梁である。

 

 

 


300年もたった松の梁は、堅い部分もあるが

至る所 虫食いである。

ドリルで穴を開けるには、底まで、穴を開けてしまうので

ここで一案、底に当たる下部分約5pを輪切り、

その底部分は後にボンドにて張り付ける予定

 

 

 

 


                     ドリルで穴を開けてる最中に、すでに

                     どうに当たる所が半分に割れてしまう。

 

                     写真左にある物が底に当たる部分

                     中央上部にある物は、くり抜いた物

                     そのくり抜いた真ん中に長方形の穴があるが

                     これは、梁として、使用していたときの横に

同じ梁が差し込まれていた穴である。

 

 

 

 


切り抜いたすべての物を横から見ると

だいたいの形がつかめると思う。

 

 

 

 

                梁はこのような繋ぎ

まず、最初の作業は、割れてしまった

ものを張り付けた。

その後は、荒削りのドリルの後を

ノミで、削る作業

だいたいの水入れの大きさが決まり、これからが大変、何件かの瀬戸物屋やデパート巡りで

寸法にあった器を探し歩いた。

3日目だったろうか、チェコスロバキア製の小型のガラス製シャンパンクーラーと出会い、

サイズが少し小さめだったが、買い求めはめ込んでみる。

残念なことに、透明のガラス製のため、ノミで削った荒削りが丸見えである。

茶杓(茶道で使用のお茶をすくうスプーン)を作るために宮城県北部地震で破壊した300年の農家の

かやぶきの茅を支える竹が手元にあったため、それをサイズに合わせ張り付ける。

 

右の洗濯ばさみで押さえているのが、2/3pの煤竹を

ボンドで貼り付けているところ。

 

洗濯ばさみの中心部、底に光り輝くものは

シャンペンクーラーの底である。

 

 

 

やっとの事で内部の竹が張りつき、テストにクーラーを

入れてみる。

上手く、すっぽり入ったが、なんとがたがたと、

クーラーが音を立てるし、抜け落ちてしまう。

 

 

 

 

2センチほどの木の切れっ端を詰め込んで(くさびとして)

安定させる。

透き通るガラスからその部分が醜く

緑の漆を塗り、更にトノコに墨汁を入れて

上塗りで仕上げた。

 

 

写真左は底に当たる部分で、ノミで円形に荒削り

その後ヤスリで削るあげる。

 

このあたりから、何とか虫食いや煤竹が、侘びとして

見えてきて、作る楽しみが沸いてきた。

 

胴体と底を張り付けるのは、訳がないが、張り付けた筋が全体に出るので、ここで思案。

 

胴体の下部部分を1p巾ほど削り始める

帯状に全体に削り取ってから、ヤスリで磨き、底と胴体を張り付け作業に入る。

 

 


いざ、張り付けて持ち上げてみると、結構の重さであった

これに水を8分目まで入れれば、両手といえども、

かなりの重さになる。

そこで、下部(底)の部分を円形に深く彫り込んだ。

300年たつという、この梁も、材質は松の木である。

ノミや鋸を使うと、松特有の松ヤニのにおいが気持ちの

良いくらい臭ってくる。

又、刃物にも松ヤニがくっつき、滑りが鈍い。

 

木肌を生かしたく、はじめにトノコを塗りすぐ拭き取り、木目や虫食いにわずかばかり残る

それが乾いたところで、柿渋を5回 乾いては塗り、乾いては塗りと時間と

日にちがたつにつれて、薄い茶色が濃い焦げ茶に変色してくる。

10日後、上柿渋にて仕上げ、色落ちしないように塗り込む。

1ヶ月後、水指は、光沢が出て、何となく侘び寂から離れてしまったので

上質クルミ油を刷り込む。

やっと、しっとりした色合いが出てきた。

 

底と胴体を貼り合わせたところに、帯状に溝を彫り込んでいるので、漆にて金を塗り上げた。

 

 

 


ガラス止めには、木工パテを刷り込む

2/3日後 彫刻刀で、でこぼこを削り、

そこにも、金を塗る。

 

 

 

寸法を採り、水指の写真とともに、京都に、

蓋を注文9分道理のできあがりだある。

 


出来上がった蓋は、底の部分の金色に合わせて

青森の「津軽ビードロ」に特別注文してくれて

取っ手が金粉が混じった(散らばった)

柔らかさを感じさせる丸みの取っ手が気に入った

 

 

梁と梁を組み込んだ長方形の穴は、うまく

生かして、地震で組み込み場所が無惨に

折れ倒れたままの、ギザギザをそのまま残した。

 

裏面はもっともっと、すごい折れ方で、それを

パズルのように組み合わせて張り付けてある。

これからの作業は、金の帯状の所に緑で、

材質が松のため、松葉を書く。

 

水指出来上がり作品はこちらへ

爾今翁と朱印を書き込む。

カメラのフラッシュで多少色が飛んで見える。

お茶会の時は、写真の正面は裏になる予定。茶席からは見えない。23×25×24センチ

制作日数 約10ヶ月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


水指蓋については、底の部分のかけらを貼り合わせ 下記のように漆を塗る これが、一番似合っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 


下部底より5pの所に、帯状の溝 金を塗り、その上に、顔料をブロンズ液で薄め、

松葉を書く。

蓋は、上と違い、黒漆 茶会によって使い分ける予定。

 

 

ともに学ぶ「日本シュンラン春蘭会長」                             

米チャン

奥様茶道の先生で、やはり茶道具を多く作成している

だが仏像もお手の物で、作品展で新人賞の

上をとったばかりである。

自宅にはシュンランが300鉢 見事に木造                           

温室に収まり、一年中、世話に忙しい人である。

 

木彫り教室にて

 

 

 

 

 

菓子盆  干菓子盆

 

一枚の板を手に入れた。

一年ばかしそのままにしておいたが

木彫りとしては、薄すぎる

江戸千家の家紋である雪輪に花を書き上げて見る

 

 

 

 

 

 


裏は自筆にて 最近 和尚さんより頂いた

MARSHALLのお茶名?生前戒名?

気に入った素晴らしい名前を貰った。

これは、袈裟に和尚さんより直筆で書いてもらった

 

詳しくは、ゑッセイ「青山 俊董」先生で書き

上げる予定。

 

 

爾今爾後  論語より

 

爾今翁 ジコンオウ

 

「爾今爾後」

         老いてこそ 華やぐ

                    病みてこそ華やぐ

                         今ある命を楽しみながら  

                              今、このときを 

                                精一杯大切に生きる

                                     

 

 

表 全体作品

 

せっかく木彫りをやっているので

絵だけでは物足りなく

糸鋸で、瓢箪を切り抜く

切り抜いた切り口を金で塗り上げる

瓢箪を結ぶ紐までノコで切り抜くつもりであったが

あまりにも高度な技術

これも、漆で書き上げてしまう。

30×18センチ上下は木の丸み外側そのままを

残して、繊細の中にも野性味を出した。

制作日数 約6か月

 

 

 

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