漢名=巻柏、「いわひば」、「岩松」、「岩檜葉」
季節による色彩美の変化、太陽の日の強弱の調整等で
その四季の変化は目を見張る。
根は水と空気を大変好むので、石や木の根などに植え付
けると変わった作品ができる。
文・湯浅浩史 写真・鈴木庸夫
日本はシダ栽培の先進国。欧米にさきがけ、
江戸時代すでにマツバラン、ヒトツバなどと共に
観賞した。芝棟(しばむね)として屋根に植栽。
元禄の『花壇地錦抄(かだんちきんしょう)』は
葉の短いのを上品と記す。
文政の『草木奇品家雅見(かがみ)』や
『草木錦葉集』では斑(ふ)を図示。
トレハロースを含み、乾き上がっても復活。
長生不死草の名も。 < 花おりおり >
(2006年01月06日付朝日新聞朝刊)
真冬の岩ひば
指し穂 4年目・MARSHALL作
近所の菅井さん70歳のじいちゃんの盆景
イワヒバ 梅雨入り前に植え替え
2005年03月17日
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四季おりおりの色の変化が楽しい
園芸植物のうち、我が国で独自に発達したのが、イワヒバである。本来、深山の水はけのよい岩山斜面にしがみつくように
自生している植物だ。現在では品種改良で檜(ひのき)葉、一本葉、小枝葉など2百数十種あるとされている。
イワヒバが見る人を魅了するのは、春は新葉が深山を思わせたのが、夏は涼しさを呼ぶまだら入りの黄金色に、
秋は見事な紅葉にという具合に、四季ごとに移り変わる色彩変化のおもしろさにある。
毎日眺めていても、飽きることがない。農業園芸センターでは毎年、7月と9月に展示即売会を開催しているが
、熱心な愛好家でにぎわう。そのイワヒバ、この時期は冬眠中だ。気温が零下に下がると、たとえ水分があっても
乾燥時のように葉が巻いてしまう。こうなると、水を与えても開葉はしない。
イワヒバは厳しい環境に耐え抜く抜群の生命力を持つ。このため「万歳」「長生草」の別名を持つほど、厳寒、雨雪、
炎天下などに耐え、驚くほどの長寿である。従って、初心者でも育てやすく管理も容易だ。
ふだんは鉢植えや石づけとして栽培する。アプローチの石垣の合間に植え込まれたイワヒバが、自生地の雰囲気を
醸し出している庭園を、仙台市内の民家でも見かけることがある。
春になり、ソメイヨシノが咲く頃、冬眠からさめて蘇生する。このころ、雨の降り出しを見計らって戸外に出し、水をたっぷり与える。
冬季に水を与え、休眠させずに室内で楽しむこともできる。排水が良好な土壌条件であれば、露地植えで楽しむこともできる。
イワヒバを育てるポイントは、排水不良による根腐れ防止である。鉢植えは年1回、梅雨入りの前に植え替えるのが原則だ。
(仙台市農業園芸振興協会 鎌田伊郎<ただお>業務課長)
石付けの岩檜葉 苔がずれ落ちないように、爪楊枝で留めてある
2ヶ月後の、沖縄宮古島の軒先丸瓦に植え付けたもの
粘土質の泥と水草を混ぜ、15センチほどの高さに
TOPに岩檜葉を植え付け
1ヶ月後