いかり草 メギ科イカリソウ属 別名:三枝九葉草(さんしくようそう)
花は赤紫・白で春に咲き、4枚の花弁が距を突出し錨のような形をしているためこの名がある。
東北地方南部以南の森林に自生。
「春されば まづ三枝(さきくさ)の幸(さき)くあらば
後にも逢はむ な恋ひそ吾妹(わぎも)」
巻10−1895
春去 先三枝 幸命在 後相 莫戀吾妹
この三枝(さきくさ)は 幸(さき)く を導く枕詞、三つの枝に分かれている。
一般的はミツマタの木を指すが、ここではイカリソウでありました。
中国では薬草として古くから利用され全草に薬効がある
老酒に三日程浸した薬用酒が仙霊脾酒(せんれいひしゅ)
漢方の淫羊霍(いんようかく)と共に強壮・強精薬とされる
「さきくさ」はミツマタとする説が有力であるが、イカリソウ、ツリガネニンジン、
ジンチョウゲなどとする説もある。
万葉歌で、柿本人麻呂が「先三枝」と詠んでいるし、山上億良は
「父母の三枝の中に寝る」と川の字で子どもと寝ることを詠っている。