ワラビ科多年生のシダ植物
奈良時代には、和良比(わらび)や早蕨(さわらび)
石走(いわばし)る
垂水(たるみ)の上のさ蕨(わらび)の
萌(も)え出づる春になりにけるかも (志貴皇子、「万葉集」)
(垂水とは滝のこと)
岩の上をほとばしり流れる滝のほとりのさ わらびが芽を出す春になったんだなあ。
うれしい気分だよ。
明日よりは
春菜つまむと
標めし野に
昨日も今日も
雪は降りつつ 山部赤人
冬の花ワラビ →
アクは山菜の中でもかなり強い方
「芽吹きの姿に、待ちわびた春を喜び、
そのエネルギーごといただくのが山菜」。
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ワラビのアク抜きには、木を燃やした後の木灰を使用。ワラビを折った部分
に木灰を付 けて、さらに、ワラビを寝かせた上からほんの少々の木灰をふ
りかける。又は、重曹を振りかけ、我が家は火鉢を使うのでその灰を振りか
け、備長炭を大きいやつを3/4本乗せて、やかんの熱湯を振りかけて
4−5時間そのままにしておく、その後水洗いをして、備長炭を入れて
一日に3回水を取り替える。是を3日繰り返す。保存は、冷凍庫。
A 容器の中でワラビが隠れるほどの量の熱湯を入れて一晩放置。その時、お湯からワラビが出ないよう落とし蓋をする。
B 翌日、何度か水を替えるとワラビのアク抜き ができる。
地下茎は、砕いてすり潰して水にさらして、ワラビデンプンを
とり、乾燥したものを、ワラビ粉と呼び、食用や糊の原料に
した。
ワラビ糊は、昔は、和紙を傘や提灯に貼る糊として用いられた。
「春は苦みを盛れ」という。春の山で採れた山菜を食卓に盛る。
その苦み成分が、冬の間に体にため込まれた脂肪や塩分の排出。
ワラビの保存には塩蔵と天日乾燥があり、最近は最も手軽に出来てすぐ食べら
れる冷凍保存が便利なよう。アク抜きを終えたワラビをちょっと厚地(0.04ミ
リ)のビニール袋に入れてそのまま冷凍。自然解凍すると冷凍前と変わらず美
味しく食べられる。
水洗いした一度目のあく抜き
多少、あくが出て水が濁っている。
食べ方 レシピ
★5センチほどに切りすりショウガを入れ、
醤油をかけて、ボールの中でかき混ぜ
さらに森上に削り節をたっぷりかける。
★
同じ大きさに切り油炒め 醤油で味付け。
★
胡麻油で炒めて千切りの油揚げと共に炒め、ラーユ・一味・醤油をかける。
★
天麩羅
キク科の多年草で
蕗は図体が大きく、塩で保存する。
ワラビと同じ要領で、プラスひとつまみの塩を加えて熱湯の鍋で1分煮る。
贅沢だが、自宅の庭に蕗がある場合は、湯を沸かして、蕗を摘み、即座に鍋に入れ
ると、皮を剥かずに済むくらい柔らかく茹で上がる。
フキの保存
蕗の皮むきは、多めの塩とほんの少しの重曹を入れた熱湯にサッと潜らせ、すぐ水で
冷やしてから皮を剥きます。その後何度か水を換えてアクを取り除くと、塩漬けしたと
き、蕗が緑色のまま保存できる。
塩漬けした蕗を塩抜きするのは、新しい塩(呼び塩)を入れた水で塩抜きした後、2〜
3度水を換えると、3〜4時間ほどで塩抜きできます
塩に蕗を漬け込んだ状態です。重石を乗せる必要はありません。
フキの名の由来について
国語学者、金田一春彦氏の説:対馬に所用で行ったおり、ある部落のトイレに新しいフキ
の葉が前の方に置いてあり、使用済みのフキの葉が捨ててあったのを見てフキは「拭き」
からきていると言っている。
食いしん坊レシピ
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ワラビと全く同じ
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葉は細かく切り茹でて、砂糖・酒・正油で味付け。
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同じ要領で、油で炒める。醤油の代わりに、味噌もうまい。
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酒のつまみには、一味かラー油を多めに入れて、砂糖を気持ち多く入れると
結構な、一品であるし、弁当やおむすびの中に入れるとおつなものである。